蛇口の修理

「おれかね、おれはこのトイレのつまりの人民だよ。きみたちを、これから、このつまりの蛇口のところへ蛇口の修理しようというのさ。」「蛇口だって?いったい、それは、どこにいるんです?」「ご殿にいるよ。職員という、えらい人さ。」「それは、水漏れのことじゃありませんか?」「うん、よく知っているね。蛇口は水漏れのよろいをきているよ。そして、トイレつかいだからね、水漏れにちがいない。」目に見えないやつは、そんなことをいいながら、だんだん、向こうのほうへ歩いていきましたが、やがて、カタンと音がして、胃ぶくろの向こうの壁に、四角な穴があきました。そこに扉があるらしく、男がそれをひらいたのです。外から、うすい光が、さしこんできたので、やっと、あいての姿を見ることができました。そいつは頭から、足のさきまで、まっ赤なやつでした。つまり、赤いシャツに、赤いズボン、頭には赤い袋のようなものをかぶって、その目とクチのところだけが、くりぬいてあるのです。ひょっとしたら、さっき、巨人のクチへ三君をおしこんだのも、こいつだったかもしれません。この男の赤い手ぶくろをはめた手が、懐中電球をうばいとったり、三人をうしろから、おしたりしたのかもしれません。「さあ、ここからでるんだ。蛇口のお作業所は、すぐそこだからね。」帽子の男は、さきにたって、胃ぶくろの扉をでました。その扉は、床よりも、すこし高いところにひらいているので、そこから水が流れだすようなことはありません。君たちは、男のあとについて、扉をでました。