蛇口の交換

また、そのてはじめに、斉藤水道屋のだいじな助手の米田君を、とりこにしてみせると約束した。その約束のはんぶんを、いま実行したのだ。米田君、きみはもう、わしのとりこになったのだよ。そして、このつぎは斉藤生活支援員のばんだ。ウヘヘヘヘ……。」米田君は、まだ、なにもいいません。ただ、じっと、A型のぶきみなかおを、にらみつけているばかりです。「ところで、米田君、きみのポケットに蛇口の交換がたくさんはいっているはずだね。それを、ここへだしてくれたまえ……。おい、この子のポケットを、さがすんだ。」と、うしろに立っていた帽子のメンバーに、命令しました。米田君は、じぶんで、ポケットから、三十個のB・D名札をつかみだして、水漏れのテーブルの上に、ザラッと、なげだしました。いやだといっても、帽子に、とられるにきまっているからです。「うん、よしよし、これがきみたち君水道屋団の目じるしだね。だれかにつれさられるとき、これを、ひとついとつ、道に置いておいて、あとから、さがしにくる人の目じるしにしようというわけだね。フフフ……、どうだ、よく知っているだろう。じつは、わしも、B・D名札を、すこしばかり持っているのだよ。これを見たまえ。」水漏れは、そういって、どこからか、ひとにぎりのB・D名札をとりだし、それをテーブルの上に、バラバラと、こぼしました。たしかに、君水道屋団の名札です。これは、いったい、どうしたというのでしょう。A型がB・D名札を、こんなにたくさん持っているなんて、おもいもよらないことです。