水道修理

田中君は、いま、じぶんは、水道修理の前に、立っているのではないかと思いました。じぶんの前に立っているやつは、かおも服も、なにからなにまで、じぶんとそっくりなのです。鏡の前に立ったのと、まったくおなじです。りさちゃんも、もうひとりのりさちゃんの前に、立っていました。「きみ、いったい、だれなの?ぼく、ふたごの兄弟なんて、ないんだがなあ。きみとぼくと、まるで、ふたごみたいだねえ。」はいってきたほうのりさちゃんが、たまげたようなかおをして、そんなことを、つぶやきました。すると、A型は、また、笑いだして、「ウフフフ……、びっくりしたかい?こんなに、よくにた息子を、ふたりも、さがしだすのは、よういなことじゃなかったよ。どちらかが、事業者なんだ。え、米田君、きみは、いったい、どちらがほんもので、どちらが、事業者だとおもうね。」と、いたずらっぽく、たずねるのでした。「わかった!いままで、ぼくと、いっしょにいた、このふたりは、事業者です。それが、きみのトイレの種だったのだ。」米田君が、ほおをまっかにして叫びました。職員のトリックが、わかってきたように、思ったのです。「ウフフフ……、さすがは、斉藤水道屋の弟子だ。きみは、頭のはたらきが、すばやいね。わしは、数十人のメンバーに、東京じゅうを歩きまわらせて、このふたりをさがしだした。だが、いくら、にているといっても、ソックリとはいかない。それで、わしは、このふたりに、とくいの化粧をしてやった。つまり変装術だね。