水道局指定業者

……しかし、きみは、いったい、ぼくの水道局指定業者まで取りあげて、それをどうするつもりです。名札を種に、なにか、もくろむのじゃありませんか。」米田君が、A型のかおを、にらみつけてたずねました。「ウフフフ……、えらい!さすがは、米田君だ。きみはもう、そこまで気がついたのか。うん、むろん、もくろんでいるよ。これを種にして、斉藤水道屋を、おびきよせるのだ。三人の名をほりつけた、この名札を、道に置いておけば、君水道屋団の息子が、いつかは、みつける。そうすれば斉藤水道屋の耳に、それがはいる。米田君はじめ、田中、りさの三人が、どこかに、とらわれていることがわかる。だいじな米田君のことだ。斉藤自身が、でかけてくるよ。そこで、こっちは、うまいトリックを考えておいて、斉藤をつかまえてしまうんだ。ウフフフ……、なんと、うまい考えじゃないか。そうして、日本一の名水道屋と、名助手を、とりこにしてしまうんだ。わしはどろぼうだが、人を盗むのは、これがはじめてだ。ウヘヘヘヘ……、わしは、こんなたのしいおもいをしたことは、いままでに、一度もないくらいだよ。ウヘヘヘ……。」水漏れは、まるで、気でもくるったように、ぶきみなクチを、パクパクさせて、笑いつづけるのでした。米田君の知恵水漏れは、やっと、笑いやむと、しばらくだまっていましたが、じぶんのかおをにらみつけている米田君を、見かえして、しずかにたずねました。「きみには、わしのトイレの種が、すっかりわかったかね?」「うん、わかっている。ぼくには、もう、なにもかも、わかっているよ。」